-部室-

穂乃果「えー!本当に⁉︎」

海未「はい。練習着に着替える際に、しっか
り鞄にしまっておいたのですが…」

にこ「部室には私と海未が最初に帰ってきたわ。その時から無かったと思う」

ことり「他の物は大丈夫だったの?」

海未「ええ。なんとか貴重品等は大丈夫でした」

穂乃果「ってことは、もしかして盗まれた⁉︎」

絵里「ええ、そうなるわ」

希「これは…事件の匂いがするね」

海未「そんな!破廉恥ですよ!!」

海未「私の制服を盗んでも得する事ありませんよ!」

希「いや、わからんよ。例えば犯人が海未ちゃんのファンならその制服の匂いを…」

海未「きゃあああああ」

絵里「希、やめなさい」

ことり「そうだよ、それにまだ盗まれたって決まったわけじゃないと思う」

にこ「私もそう思うわ。一旦全員の持ち物を探してみましょう」

穂乃果「そうだね、じゃあ皆着替えを一旦止めて海未ちゃんの制服を探そうか」

《今回1年生組は出てきません》

〜〜〜
にこ「結局、全員の持ち物にはそれぞれの制服とその他もろもろが入ってるだけだったわね」

希「部室もうちとえりちで一通り探したけど特に何も無かったよ」

絵里「……」

絵里「こうなると本格的に盗まれた可能性がでてくるわね」

海未「そんな…私はどうやって帰ればいいんでしょうか」

にこ「仕方ないから、私が制服を貸してあげるわ。私はジャージかなんかで帰るわよ」

海未「小さくて入りませんよ」

にこ「あ、確かに」

希「まあ、それは後でも何とかなるやん」

絵里「じゃあ、『誰かに盗まれた』と仮定して話を進めていくわね」

絵里「皆を疑うような事はしたく無かったけど、やむをえないわ」

希「そうやね」

にこ「まず、さっきも言ったけど練習が終わって最初に部室に帰ってきたのは私と海未だわ」

にこ「その後私達は皆が帰ってくるまでずっと部室にいたわけだから、既にその時点で海未の制服は無かった事になるわね」

絵里「そうね、だとすると盗まれたのはやはり練習の前」

希「ずばり、最後に部室を出て行ったのは誰なん?」

絵里「私よ」

ことり「そうだね、確か一番最後に屋上へ来たのが絵里ちゃんだったのは覚えてるよ」

穂乃果「絵里ちゃんか…」

海未「絵里が私の制服を盗むなんてまずありえませんし、信頼して良いと思います」

にこ「それは分からないわよ、海未」

絵里「そうね、アリバイが証明できない以上私が疑われても仕方ないわね」

絵里「無論、私はそんなことはしていないけれど」

希「事実を拾っていくしかないもんね」

穂乃果「で、絵里ちゃんが部室を出てから誰も部室には入ってないの?」

ことり「多分そうじゃないかな」

海未「あ、でも」

海未「疑う事になってしまいますが、ことりと穂乃果は練習中確か1回ずつトイレに行きましたね」

絵里「確かにそうだったわね」

にこ「ことり、あんた本当にトイレだけだったの?部室に行ったりしてない?」

ことり「部室には戻ってないよ!ちょっとトイレに行っだだけ」

海未「穂乃果はどうなんですか?」

穂乃果「穂乃果もすぐ戻ってきたよ」

海未「まあ、誰も目撃していない以上なんとも言えませんね」

希「でも、一応アリバイがないのはえりちとことりちゃん、穂乃果ちゃんの3人になったね」

穂乃果「うーん…絵里ちゃんやことりちゃんがそんなことするはずないよ…」

穂乃果「もしかして海未ちゃん、制服の上に練習着きてるんじゃないの?」

海未「そんなことはないです!穂乃果じゃないんですから」

穂乃果「穂乃果もそんな事しないもん!」

絵里「こら、今はそんな事してる場合じゃないでしょ」

ことり「そうだよ、やめなよ二人とも」

にこ「でも、ことりや穂乃果は万が一部室に行ったとしても鍵がないから部室には入れなかったんじゃない?」

海未「ええ。鍵は私が管理していますから、勝手に持ち出すことは無理でした」

海未「絵里も、屋上にきてからすぐ私に鍵を預けましたし」

にこ「そうよね。だとしたら、やっぱり今一番怪しいのは絵里になるわ」

ことり「そんな…絵里ちゃんがそんな事するはずないよ」

穂乃果「そうだよ!」

希「どうなん?えりち」

絵里「……」

海未「絵里?」

絵里「ごめんなさい」

にこ「どういうこと?」


絵里「ひとつだけ、私は皆に隠していた事があるわ」

希「やっぱりえりちが犯人だったってこと?」

絵里「違うわ。そうじゃない」



絵里「確かに、部室を最後に出たのは私だった。でも、その時私は『鍵を閉めていなかった』のよ」


穂乃果「鍵を閉めてなかったの?」

ことり「どういうこと?それって」

穂乃果「ってえええええ!それって絵里ちゃんのせいで服が盗まれたかもしれないってことじゃん!」

にこ「あんた反応遅いわね」

希「でも、それだとなんかおかしくない?」

海未「そうですね」

絵里「ええ。私が鍵を閉め忘れたのは迂闊だったわ。それを隠してたのは悪いと思ってる」

絵里「でも、わざわざ隠していたのはにこと海未が戻ってきたときに特に異常がなかったように思えたから」

絵里「私が鍵を開けっぱなしにしていたなら、部室のドアは空いてるはず。でもにこと海未はそんな事言っていなかったわよね?」

希「確かに」

にこ「ええ、私達が戻ってきた時はちゃんと鍵は閉めてあったわ」

穂乃果「って事は…ええと…」

海未「誰かが鍵の空いた部屋に侵入して、鍵を閉めてまた出てきたって事ですよね」

絵里「ええ、そうよ」

絵里「ここで犯人の犯したミスは、『鍵をわざわざ閉めた』って点だわ。そのまま開けっぱなしにすればよかったのに」

にこ「わざわざ施錠し直してるから一気にその犯行が露わになったってことね」

絵里「その通り」

海未「おそらく犯人は計画的犯行を行う為にわざわざ前もって鍵を準備していた。そしてこの部室に入り事を終えたはいいが最後に注意を怠りミスをしてしまった」

海未「こういう事ですよね?」

絵里「流石海未ね。理解が早いわ」

絵里「もう言い逃れは出来ないわね、ことり?」

ことり「え…ことり?」

穂乃果「ことりちゃんが犯人だったの?」

希「でも、考えうる限りで一番可能性が高そうな人やね」

にこ「ええ、確かに。ことりなら、理事長に頼めば部室のスペアキーを貸してもらうくらちお安い御用な気がするわ」

ことり「そんな…そんなの絵里ちゃんのこじつけだよ!」

ことり「ことりはトイレに行っただけなのに…何でそんな簡単に疑われちゃうの?おかしいよ!」

ことり「そもそも絵里ちゃんが言ってる事が本当がどうかも分からないし」

ことり「もしかしたら絵里ちゃんが犯人かもしれないって事は考えないの?」

穂乃果「それはそうかもしれないね…」

希「でも、えりちが仮に犯人だったとしてわざわざそんなややこしい事を言い出すと思う?」

にこ「絵里はもう最初の時点で犯人が大体わかってたのね。そして、ボロが出るのを待っていた」

海未「ところが話が進まないから、カミングアウトしたと」

絵里「ええ。ことり、本当にあなたトイレだけだったの?用事は」

ことり「だからことりは何度もそう言ってるじゃん!」

絵里「じゃあどこのトイレに行ったのかしら?」

ことり「屋上の下の階に決まってるじゃん!それがどうかしたの⁉︎」

のぞにこほのうみ「!!」

絵里「ボロが出たわね、ことり」

ことり「え?」

絵里「実は今日の午後だけ、1階のトイレ以外は全部一斉清掃期間で使用不可になっていたのよ。多分ことりは行ってないから気づいていなかったみたいだけど」

絵里「だから、屋上の下の階にあるトイレも当然使用不可。あなたの言ってる事は嘘になるわね」

絵里「どう?ことり、これでも隠し通すつもり?」

絵里「それとも、理事長にことりが鍵を借りたかどうか確かめに行ってもいいんだけど」

ことり「……」

希「ことりちゃん?」

ことり「そうだよ、ことりが犯人だよ」


にこ「ことり…あんただったのね」

穂乃果「ことりちゃん…」

ことり「途中までうまくいってたんだけど、鍵を閉めちゃったのは余計だったな。あーあ」

ことり「ことりはトイレに行くふりをしてこの部室に侵入した。それで海未ちゃんの制服を盗み出して、そのままことりのロッカーに入れたの」

希「練習着じゃなくて制服をとるあたりことりちゃんだね」


ことり「でも鍵が開いてるのはびっくりしたよ。何でだろうと思った」

にこ「何で最後に鍵を閉めていかなかったのよ?

ことり「それは絵里ちゃんの言う通り、完全にことりのミス。最初空いていたのを忘れてたの」

穂乃果「なるほど、そんな事だったんだね」

ことり「今日もうまくいったと思ったんだけどなぁ」

絵里(今日も?)



絵里「それでことり、何でこんな事をしたのかしら?」

穂乃果「そうだよ、何でこんな事したの?ことりちゃん!」

にこ「本当よ。寧ろそっちが本題よ」


希「ことりちゃん、正直に言ったら皆許してくれるかもしれへんよ?」

ことり(…)

ことり「ことりは…」

ことり「海未ちゃんの匂いが嗅ぎたかったから!!!」

のぞにこほのえり「」

希「え、それって…」

にこ「希の予想的中してるわね」

絵里「ハラショー」

絵里「え、海未はどうするの?勿論怒るわよね?」

海未「ことり…」

海未「そんな事は、二人きりの時にして下さいよ!」

のぞにこほのえり「」

海未「あっ…」

穂乃果「ふたりとも…」

にこ「そういう関係だったわけね…」

ことうみ「///」

絵里「あなたたちねぇ…」



その後、二人は絵里にこっぴどく叱られました。

END

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