絵里(何だか最近にこから避けられてる気がする)

絵里(今までは私とにこと希と3人で帰ってたのに、少し前から1人で帰るようになったり、遊びに誘っても断られたり)

絵里(何か怒らせたかしら?)

希「えりちー、帰るでー」

絵里「え?ええ、ってあれ?みんなは?」

希「もう帰ったけど気付かんかったん?」

絵里「ちょっと考え事をしてたから」

希「にこっちのこと?」

絵里「なんでにこが出てくるのよ」

希「だって最近のえりちとにこっちの様子、変なんやもん」

絵里「うっ…」

希「喧嘩でもしたん?」

絵里「してないわよ…多分」

希「多分って曖昧やなぁ」

絵里「私にも思い当たる節が無いのよ」

希「それなら直接聞いてみたらええんやない?」

絵里「直接!?」

希「1人でうじうじ考えとったって答えなんか出るわけないやん」

絵里「それはそうだけど…」

希「そうや!どうせなら今から会いに行けばええやん!」

絵里「よーし、そろそろ帰ろうかなー」

希「逃げるんやったらわしわしMAXやで~」

絵里「今からは心の準備が…」

希「駄目や、今日中に会いに行くんや」

絵里「明日じゃ駄目かしら?」

希「あんなぁえりち、明日何があるか分かる?」

絵里「明日?何かあったかしら」

希「明日はユニット別練習や」

絵里「あぁ…」

希「せやから真姫ちゃんのためにも今日中に仲直りするんや」

絵里「分かったわよ、今からにこに会いに行けばいいんでしょ」

希「えりち、ファイトやで」



絵里「にこの家って確かここよね?」

<ピンポーン

にこ「はーい」ガチャ

にこ「って絵里!?なんで来たのよ」

絵里「にこと少し話がしたいのだけど」

にこ「私は話すこと無いんだけど」

絵里「本当に少しだけでいいの」

にこ「忙しいから帰って」

絵里「そこをなんとかお願い!」

にこ「嫌よ、今日はもう帰って」

絵里「どうして最近私のこと避けるの?」

にこ「別に避けてなんかないわよ」

絵里「うそ、じゃあなんでそんな強引に追い返そうとするの?」

にこ「だから忙しいって言ってるでしょ」

絵里「普段のにこならなんだかんだ言いながら話聞いてくれてたじゃない」

にこ「…」

絵里「私がにこのことを怒らせてしまったのなら謝るから、教えて」

にこ「…て」

絵里「え?」

にこ「帰ってって言ってるの!」

絵里「にこ…」

絵里「分かった、今日のところは帰るわ」

にこ「そう」

絵里「それじゃあにこ、また明日」

にこ「…また明日」ガチャ



希「えりち、おはようさん」

絵里「おはよう、希」

希「どうしたん?朝から暗い顔して」

絵里「どうしよう希、にこに嫌われちゃったかもしれない」

希「昨日あれから何があったん?」

絵里「にこの家に行ったら、『帰って』の一点張りで話もさせてもらえなかったわ」

希「なんか最初の頃のにこっちに戻った感じやなぁ」

絵里「やっと心を開いてくれたと思ってたのに」

希「また心に鍵をかけたんならもう一度それを開けてやればいいだけやん?」

絵里「そんな簡単に言われてもねぇ…」

希「えりちやったら簡単やと思うよ」

絵里「どうしてそう言いきれるのよ」

希「これはうちの予想なんやけど、にこっちの心を開ける鍵はえりちが持ってると思うんや」

絵里「私が?」

希「そや、だってにこっちが避けてるのってえりちだけやない?」

絵里「言われてみればそうね…」

<キーンコーンカーンコーン

先生「はーい、みんな席につけー」

先生「えー、今日は桜川と矢澤が風邪で休みだ」

先生「みんなも風邪には気を付けるように」

絵里(にこが風邪?昨日はそんな様子見せてなかったのに…)

絵里(今日はユニット別練習があるからズル休みした…なんて考えすぎよね?)

希「にこっちが休みなんて珍しいなぁ」

絵里「普段からあんなにアイドルは体調管理が命って言ってたのにね」

希「お見舞いはどうするん?」

絵里「もちろん行くつもりよ」

希「それならうちは行くのやめとこうかな」

絵里「どうして?」

希「うちがおらん方が話しやすいやろ?」

絵里「…ありがとう」

希「素直でよろしい」

絵里「みんなに今日は部活休むって伝えといてね」

希「分かったで」



絵里「今日は話に応じてくれたら良いのだけど…」

<ピンポーン

にこ「はーい」ガチャ

絵里「良かった、起きてたのね」

にこ「…今日は何の用?」

絵里「そんなに警戒されたら結構へこむんだけど…」

にこ「2日続けて来る方が悪いのよ」

にこ「それで、何の用なの?」

絵里「お見舞いのついでに昨日の話の続きがしたいのだけど、今日は話してくれるかしら?」

にこ「はぁ…、公園に行きましょ?家だと妹たちがいるから」

絵里「ええ、構わないわ」



絵里「ねぇにこ、どうして最近私のことを避けるの?」

にこ「言いたくない」

絵里「どうして?」

にこ「言ったら必ず今の関係ではいられなくなるからよ」

絵里「それはにこ次第よ」

絵里「もしにこが今の関係であることを望むのであれば私たちの関係が変わることは無いわ」

にこ「例え私が酷い罵声を浴びせたとしても?」

絵里「もちろんよ、だって私はずっとにこと一緒にいたいと思ってるもの」

にこ「絵里は優しすぎるよ」

絵里「そんなこと…」

にこ「でもその優しさが時には人を傷つけることもあるのよ」

絵里「え?」

にこ「絵里にはきっと分からないわよ、この気持ちは」

絵里「それが私を避ける理由?」

にこ「いいえ、違うわ」

絵里「じゃあ一体何が理由なの?」

にこ「…にこがアイドルだからよ」

絵里「にこ、今は冗談とかじゃなくて本気で答えて欲しいのだけど」

にこ「別に冗談なんて言ってないわ」

絵里「えっと、つまりにこはアイドルだから私のことを避けてるってこと…?」

にこ「ええそうよ」

絵里「あの…、まったく意味が分からないのだけど…」

にこ「…絵里って鈍感よね」

にこ「にこは絵里と一緒にいるとアイドルではいられなくなっちゃうの」

絵里「アイドルではいられなくなる?」

にこ「より正確に言うとアイドル失格になる、だけど」

絵里「さっきから質問ばっかで悪いけどアイドル失格になるってどういうこと?」

にこ「本当に知りたい?」

絵里「当然よ」

にこ「これを聞いたら絵里は絶対にこのことを気持ち悪いと思うわよ」

絵里「それはありえないわ」

絵里「私はにこに出逢えて、にこと親しくなれて良かったと思ってる」

絵里「にこは小さいからよく1年生4人組なんて呼ばれてたけど、実は面倒見がよくて、周りのことをよく見てて、誰よりも頼りになる人だもの」

絵里「私はそんなにこのことを尊敬してるの」

絵里「だから私はにこに何を言われようが絶対に嫌いになることはない」

にこ「絵里…」

絵里「だから聞かせて?にこがアイドル失格っていうのがどういう意味なのか」

にこ「…アイドルは恋愛禁止」

絵里「へっ!?えーと、それって///」

にこ「そうよ、私は絵里のことが好き」

にこ「でも返事はいらないわ」

絵里「えっ?どうして?」

にこ「だって絵里の答えは分かってるから」

にこ「絵里が望んでいるのは今の関係でずっと一緒にいること、そこに恋愛感情が入り込む余地はない」

絵里「それは違…

にこ「違わないわ、だから聞く必要もな────んんっ!?」

にこ「ちょっと!何するのよ!///」

絵里「少しは人の話を聞いて!」

にこ「…なに?」

絵里「にこの後に言うのはずるいかもしれないけど、私はにこのことが好き」

絵里「にこの可愛らしいところも、夢を追い続ける一途さも、お姉さんっぽいところも、意地っ張りなところも全部が好き」

絵里「それに私は今の関係のままでいたいとは一言も言ってないわ」

にこ「えっ?」

絵里「にこが望むなら今の関係でいたいって言っただけよ」

絵里「私が望んでいるのはにことずっと一緒にいること」

絵里「どっちでもとれるような言い方をしたのは私が逃げちゃっただけだけど」エヘヘ

にこ「じゃあ全部にこの勘違いだったの?」

絵里「ええ、にこが早とちりしちゃっただけよ」

にこ「良かった…でも、私は絵里と付き合うことは出来ないわ」

絵里「アイドルは恋愛禁止、だっけ?」

にこ「私は宇宙ナンバーワンアイドルなんだもの、アイドルの鉄則を破るわけにはいかないわ」

絵里「そう、それならいつまでも待つわ」

絵里「だって、いくらにこでも一生アイドルであり続けることは出来ないでしょ?」

にこ「ありがとう、絵里」

にこ「私も絵里と出逢えて幸せよ」