彡(゚)(゚)「......。まぁ特にすることないし、やってやらんこともないかな。それよりババア」

COAT博士「ママとかお母さんとか、もっと相応しい呼び方があるだろ、おい」

彡(゚)(゚)「そもそもワイとかその野獣先輩とかいうのの、『海綿体』ってなんのことや?」

COAT博士「『概念体』だよ脳味噌チンコ息子」

彡(゚)(゚)「あっ、今のってチンコと息子かけたんか?なぁなぁかけたんか精子の如く」

COAT博士「まず概念の説明から始める必要があるな」

彡(゚)(゚)「スルーしよったでこのババア」

(´・ω・`)「自分もついさっきスルーしてたくせに」

彡(゚)(゚)「なんのこっちゃ?」

COAT博士「おいバカ息子。お前にはこれが何に見える?」

そう言ってババアが手に握って見せてきたのは、誰がどう見ても......

彡(゚)(゚)「ただのボールペンやんけ。バカ呼ばわりとバカにされるのを同時にやられると、流石に殺したくなるな」

(´・ω・`)「沸点が低すぎる」

COAT博士「そう、お前は今これをボールペンだと認識した。他の誰が見てもボールペンだと思うだろう。それが概念だ」

彡(゚)(゚)「??」

COAT博士「ボールペンである物体そのものは、人間の意識と関係なくここにある。だが人間の意識がこれをボールペンだと認識する場合、みんながこれをボールペンだと認識している必要がある」

彡(゚)(゚)「さっぱり分からん」

COAT博士「難しく考えなくていい。これがボールペンだと決めたのはお前じゃないだろう?でもみんながこれをボールペンと呼ぶから、お前もなんとなくこれがボールペンなんだと理解している」

COAT博士「概念の多くは共通認識で成り立っている。この世界の事象を人間の意識が理解する為に、我々は物事に名前と意味を与え、皆で共有し、ある程度同じ世界観を共有している」

COAT博士「概念とは、皆がある物事に対して、これはこういうものだと感じ取るおおよその意識のことなんだ」

彡(゚)(゚)「おっ、ふんわりとした説明やけど、ふんわりと理解してきたで」

COAT博士「まぁ突き詰めて説明すると、一日や二日じゃ済まないからな。次に、私の研究している『概念を実体化させる技術』について話そうか」

彡(゚)(゚)「前から思ってたんやけど、それってそんな凄い研究なんか?」

COAT博士「当然だ。凄いなんてもんじゃない。概念(皆がなんとなく思っていること)に実体を与えるということは、即ちなんでもありだ、ということだ」

彡(゚)(゚)「なんでもあり?」

COAT博士「そう。皆が思っている、核爆弾。皆が思っている美味しいご飯。歴史上の偉人だって蘇らせることも出来るだろう。この世のあらゆる事象に概念が適用されている以上、『概念を実体化させる技術』で生み出せる物は無数にある」

COAT博士「しかもこの技術に必要なエネルギーは、実体化させたい概念の持つエネルギーに左右されない。1の労力で、10、100、1000の労力分の物体を生み出すことが可能なのだよ。エネルギーに関するあらゆる理論を踏み越えた夢の技術、それが『概念を実体化させる技術』なのだ!!」

彡(゚)(゚)「はぇ〜すっごい」パチパチ

(´・ω・`)「こんなに活き活きした博士、僕初めて見るよ」

彡(゚)(゚)「で、それってどういう理屈の技術なんや?」

COAT博士「概念も理解出来ないお前に、私の崇高な技術論理が理解出来んのか?あ?長々と無駄な説明しろってのか」

(´・ω・`)「あれ、でもちょっと待ってよ」

COAT博士「どうした、原住民くん」

(´・ω・`)「そんなに凄い技術なのに、なんで博士は僕たちや野獣先輩って人なんかを作ったの? どうせ作るなら、それこそもっと凄いのが作れたはずなのに」

彡(゚)(゚)「てめぇ、ワイが凄くないって言いたいのかこの腐れ原住民!」バキィッ

(´・ω・`)「ぐへぇっ」

COAT博士「......作らなかったんじゃない。それしか作れなかったんだ」

彡(゚)(゚)「お前もお前でワイをそれ呼ばわりかい。グレたろかな、もう」

COAT博士「私の技術はまだまだ未完成でな。概念を実体化させるうえで、必要不可欠な補助要素が大きく二つあった」

COAT博士「一つは、それが電子情報であること。もう一つが、その電子情報に人間の情念が集っていることだった」

彡(゚)(゚)「??」

COAT博士「無から有を作り出すことは出来ない。だから概念を形作る為の、膨大なデータがそもそも必要になる。これが一つ目の電子情報」

COAT博士「二つ目の人間の情念だが、概念の説明は覚えているか?」

彡(゚)(゚)「みんながなんとなく思っていること、だったかな」

COAT博士「その通り。なんだやれば出来るじゃないか、偉いぞ。そう、概念とはそもそも個人的なものではない。皆が共通して認識していることじゃないと意味が無いんだ」

COAT博士「二つの条件に当てはまる事象を探すために、私は2ちゃんねるを徹底的に調べた。あそここそ、電子情報と人間の情念の集積所のような場所だからな」

彡(゚)(゚)「仕事でネットサーフィングとは良い御身分やな」

COAT博士「そこで私は二つの巨大な概念を見つけた。より多くの人間が電子情報を書き込み、より多くの人間がその概念に注目し、キャラクターを理解している。なんとなくこういうものだ、というイメージがより多くの人間に定着していたのが、野獣先輩であり」

彡(゚)(゚)「ワイだった、てわけか。せやけど他にも色々試したりしなかったんか?」

COAT博士「もちろんいくつも試したが、お前ら以上の素材はまだ見つかっていなくてな。どれもこれも失敗した。で、実験もタダでは出来ないわけなので、今は国とスポンサーからの資金待ちだ」

彡(゚)(゚)「なんやカラッ欠なんか。道理で暇そうにしてると思っとったわ」

COAT博士「以上が、概念体であるお前達の概要だ。何か質問はあるか?」

彡(゚)(゚)「いんや別に。これ以上難しい話されたら敵わんし、そもそも自分が何者かなんて、ワイはたいして興味ないしな」

COAT博士「......ハハッ、そうだな。お前は最初からそういう奴だもんな」

彡(゚)(゚)「で、結局ワイはなんで野獣先輩を倒さなあかんのや? そいつが一体なにしたっていうんや?」

COAT博士「ああ、それはだな」

??「そこから先は私が説明します」

COAT博士「おっ、もう着いたのか。流石に早いな」

彡(゚)(゚)「なんやこの女。誰やねんちっこいくせに偉そうにスーツ着おって」

(´・ω・`)「無駄に敵を増やすのやめようよおにいちゃん」

??「私がちっこいのではなく、あなたが無駄にデカいんです」

彡(゚)(゚)「なんやとこのアマ!」

(´・ω・`)「沸点が低いくせに煽るからそうなるんだよ」

COAT博士「あー、とりあえず自己紹介から始めてやってくんないか?」

??「失礼しました。私は内閣総理大臣の命により新設され」

彡(゚)(゚)「やめてやめてやめて。そういうややこしくて難しい説明はやめて」

COAT博士「すまん。こいつ見ての通りアホだから、簡潔にしてやってくれ」

??「......私の名前は宇野 佐奈子。あなた方のサポートをするようにと、国から命じられた特派員です」

彡(゚)(゚)「サポート? 具体的に何をしてくれるんや」

宇野「そんなこと決まっているでしょう」

宇野「あなたが野獣先輩を殺すという使命。そのサポートをするんですよ」