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No.42124の一覧
[0] 彡(゚)(゚)「概念と化した先輩?」 [にゃんこい村] (2016/05/28 15:25)
[1] coat博士「私が命じる! 『野獣先輩を倒せ』!」 [にゃんこい村] (2016/05/28 12:55)
[2] 彡(゚)(゚)「そもそも海綿体ってなんや?」 [にゃんこい村] (2016/05/24 19:55)
[3] 彡(゚)(゚)「殺すて...そんな嫌な言い方やめーや」 [にゃんこい村] (2016/05/24 22:06)
[4] MUR「あの野郎......あの野郎!野獣の野郎! よくも俺を、ゾ、騙しやがったなぁぁぁぁぁ!!」 [にゃんこい村] (2016/05/24 20:01)
[5] 彡(゚)(゚)「おっ、黒くてゴツくて、固そうないい形やんか」 [にゃんこい村] (2016/05/24 20:04)
[6] 宇野「だって私は、ブスじゃないもん!」 [にゃんこい村] (2016/05/24 23:01)
[7] 彡(゚)(゚)「お、おい!原住民ちゃん大丈夫か!?」 [にゃんこい村] (2016/05/24 23:01)
[8] MUR「忘れたく...ない。忘れたくないんだよ......!」 [にゃんこい村] (2016/05/24 23:01)
[9] 彡(゚)(゚)「一回轢いたら百回も万回も大して変わらんわ!」 [にゃんこい村] (2016/05/27 00:22)
[10] 彡(゚)(゚)「なんや、それは!! 一体なんなんやそれはぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 [にゃんこい村] (2016/05/30 00:04)
[11] 彡(゚)(゚) (あ、マズい。トドメ刺される) [にゃんこい村] (2016/06/01 22:09)
[12] 怪物は笑う [にゃんこい村] (2016/06/02 13:07)
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[42124] 彡(゚)(゚) (あ、マズい。トドメ刺される)
Name: にゃんこい村◆6415c73a ID:ce36e5ca 前を表示する / 次を表示する
Date: 2016/06/01 22:09
狭い街路の運転でストレスが溜まっていた私にとって、アクセル全開で車を走らせるのは、ある意味願望であった。もう何も考えずに、ただ真っ直ぐ車を突っ走らせたいと思う衝動が、私を突き動かす。
が、アクセルを踏んでから数秒と経たず、その願望は打ち砕かれた。

(´・ω・`)「宇野さん待って! おにいちゃんが落ちた!」

宇野「なんですって?」

それが本当なら大事だ。まさか奴を置いていくわけにもいかないので、落ちたのなら無論回収しなければならないのだが......

宇野(「アレ」に突っ込まなきゃいけないのよね、その場合。勘弁してよもう)

慌ててギアとスピードを落とし、後方を確認する。サイドミラーにもバックミラーにも、なんJ民の姿は確認出来ない。距離が縮まり、先程よりも大きく見える肉塊どもと、その後ろに続くMURの姿だけが視界に広がっている。

宇野「見えませんよ、本当に落ちたんですか!?」

(´・ω・`)「落ちたけど、車になんとかしがみついてるみたい!」

車窓を開けて首を外に出した原住民の報告に、ひとまず安堵を得られたものの、これで全速力で奴らから逃げる狙いが狂ってしまった。なんJ民が車上か、あるいは車内に戻るまで、またスピードを出すわけにもいかない。奴が振り落とされてしまえば、それこそおしまいだ。

宇野「あー、もう! 勝手に落ちてんじゃないわよあのマヌケ!」


彡(゚)(゚)「あのアマほんま無能の極みやな! もう更迭や更迭、それしかあらへん!」

止まってくれない車に引きづられながら、ワイは必死にナンバープレートにしがみついていた。車から落ちたのは勿論ワイのミスではなく、宇野が断りもせず速度を上げたからだ。
あの謎の肉塊を相手に、どう対処したらいいだろうか。そう考え込んでいる時に不意打ちを喰らったのだから、ワイが圧に負けて転んだのは当然だ。全てあの女が悪い。

彡(゚)(゚)「とりあえず車に戻らな、文句も言えへん」

ガリガリと地面を削りながら、ワイは右手を離してバックドアの取っ手部分に手をかけた。左手を離し、今度はバックドアに手をかけるも、そこはツルツルと摩擦が少なく、とても掴めなかった。仕方なく両手で取っ手を持ち、体を起き上がらせた後、

彡(゚)(゚)「ふんぬらばっ!」

跳び箱の要領で、バックドアまで尻を運ぶ。前から自覚してたが、相当筋力あるよな、ワイ。
窓の向こうで原住民がこちらに顔を向けているのを見つけ、手で挨拶をしてやった後。尻もちの姿勢から立ち上がったワイは、車の屋上に上がり、前の方へ歩き、横向きに寝転んで運転席の窓を叩いた。中の宇野が鬱陶しそうな表情で窓を開ける。なんやその態度は。

彡(゚)(゚)「おいヘタクソ! お前がいきなり速度上げたせいで落ちたやないかこの無能!無能!無能!」

宇野「はぁ!? アンタさえ落ちなければ今頃首都高まで一息でいけたんですよ!? ちょっとは踏ん張り効かなかったんですかこのマヌケ!」

彡(゚)(゚)「なんやとこのブス!」

宇野「な!? またそれを、...... ! チッ、なんJ民さん顔を上げて、早く!」

そう言うと宇野は懐から拳銃を取り出し、ってオイオイオイ。

彡(゚)(゚)「悪口一つでワイを殺す気かお前はぁ!」

必死で顔を上げると、車の右側に並走する、例の肉塊が視界に写った。

彡(゚)(゚)(ついに追いついてきたんか......!)

間近で見ると、肉塊の背丈は頭部を合わせて、140cm程はあった。思ったより更にデカい。
パン、と不愉快な銃声が響くと、その肉塊はあっけなく横に倒れた。そして、車のスピードから置き去りにされた肉塊をしばらく眺めるも、倒れた肉塊はキモい脚をジタバタするばかりで、起き上がる気配は無い。腕がないのだから当然かも知れないが。
銃弾一つで処理できたことと、やがて後続の肉塊達に踏み超えられるその様を見て、意外とアイツら、脆いんじゃないかとワイは思った。

宇野「意外と弱いわね」

サイドミラーを見て、宇野も同じ感想を抱いたらしい。

彡(゚)(゚)「それ使えるなぁ。なぁワイにも貸してくれや」

宇野「嫌です。弾は残り5発ですし、そもそもあなたじゃマトモに当てられませんよ......キャッ」

左側から強い衝撃がきた。振り向くと、左側にも肉塊が並走していた。衝撃の原因はそいつの体当たりだったようだが、肉塊はバランスを崩すことなく未だ走っている。
銃声が鳴り、左側のソイツも倒れた。これで弾の残りは4発。さっき数えた肉塊の数は15だったから、倒した2体を引いて、残り13か。

彡(゚)(゚)「向こうが勝手に倒れることはないようやな。弾の数が全く足りんぞ、どうするんや」

宇野「ひとまず並走してくる肉塊は私の銃で処理します。なんJ民さんはとにかく、奴をどうにかしてください!」

宇野が言うのとほぼ同時に、ドンっと音を立てて、MURが車に飛び乗ってきた。位置は最初と変わらず、バックドアに足を立て、屋上に手をつき四つん這いの姿勢だ。

彡(゚)(゚)「そうか、お前もいたんやったな。そんじゃ今度こそ、第2ラウンドといこうやないか!」

先程と同じように、勢いをつけた前蹴りを放つ。また何のリアクションもせず突き落とされるかと思ったが、

MUR「ゾッ!」

MURは両腕を顔の前でクロスさせ、ワイの蹴りを防いだ。片脚を弾かれたワイは、よろめきながら後ろに一歩下がる。その隙を、突かれた。

MUR「イイゾォォォォォォォ!」

彡(゚)(゚)「!?」

MURが無防備に体勢を崩したワイへと接近してきた。バックドアから屋上へと飛び移り、ワイの懐へと侵入したMURは、腹部へ拳を放った。

彡(゚)(゚)「ウグゥッ......!」

予想以上に重い拳が、深々とワイの腹を抉る。息を一気に吐き出してしまい、慌てて酸素を取り込もうと思うものの、2発目の拳が、間髪入れずにもう一度刺さった。

彡(゚)(゚)(あっ! い、痛い! 痛い! 痛い!)

あまりの激痛に、ワイは腹を抑えながら横向きに崩れ落ちる。痛みに耐えようと眼をつむりかけた所で、MURが倒れたワイに覆い被さった。
鬼の形相をした男が、おそらくワイの顔を狙って、右拳を思い切り振り上げた。血走ったその眼が、手加減など知る訳もなく。

彡(゚)(゚)(あ、マズい。トドメ刺される)

命の危機を初めて感じたワイは、痛みを我慢してなんとか......足を持ち上げて、MURの尻を蹴飛ばした。

MUR「ゾッ!?」

殴る為に前傾に力が掛かっていたからか、瀕死のワイの蹴りでも、ギリギリMURを落とすことが出来た。車から落ちたMURが、丁度横を並走していた肉塊を巻き込んで、地面にゴロゴロと転がっていく。これで肉塊は残り12。

彡(゚)(゚)(痛い! 死にかけた! 痛い! ワイ舐めてたわ、ケンカを舐めてたわ! 殴られるって、こんなに痛いんか! 殺す気で来る敵って、こんなに怖かったんか!)

屋上に這ったままで、初めて味わう実戦の恐怖にワイは慄いた。イメトレとも、ゲームやテレビとも違う、生の痛みに、死の恐怖。
腹の痛みがだんだん引いていき、呼吸が戻ってくるも、まだ、立ち上がれない。
銃声がまた1発、続けてもう1発響いた。宇野がやってくれたのだろう。これで、肉塊は残り10。弾は残り2発。

彡(゚)(゚)(嫌や、また殴られとうない。あんな痛い思いしとうない! 嫌や、嫌や、嫌や。頼むからもう、来ないでくれ!)

ワイの願いも虚しく、肉塊の群れの向こうから、また奴の咆哮が響いてきた。走ってくる、走ってくる。何も変わらぬ、あの鬼の形相で。

彡(゚)(゚)「そんな......」

もう、勘弁してくれ。ワイが半ば絶望しかけた時、後部座席の窓が開き、原住民が顔を出した。

(´・ω・`)「おにいちゃん! またあのオジさんが登ってきてたの? 大丈夫!?」

彡(゚)(゚)「原住民......」

(´・ω・`)「もしかして、まだやってくるの? 僕も一緒に戦おうか!?」

彡(゚)(゚)「......。」

ワイの身体であんなに堪えたMURの拳を、原住民が喰らったらどうなってしまうだろうか。いや、原住民だけでなく、権田のオッさんや宇野も、あんな拳を喰らえば、間違い無く死んでしまうだろう。

彡(゚)(゚)(......そうや。肉塊をどうにかした所で、MURを止められなければどうしようも無いんや。そんで今、MURと戦えるのはワイだけや。ワイしかおらんのや)

彡(゚)(゚)「......お前なんか今役に立つか、アホ。いいから車ん中戻って、大人しく待ってろ。ワイと宇野が、なんとかしてやるから」

(´・ω・`)「で、でもおにいちゃん!僕、」

彡(゚)(゚)「お前がワイの心配するなんて100年早いわ。車ん中戻れ、鬱陶しいんじゃ」

(´・ω・`)「っ!......う、うん。分かったよ...」

彡(゚)(゚)(そうや。ワイがなんとかせにゃならんのや。痛いだの怖いだの言っとる場合やない。動くんや。動かなきゃ死ぬしかないんや!)

ワイはようやく、立ち上がった。抑えていた腹がズキズキと痛むが、気にしている場合じゃない。ワイが守らなきゃいけないんだ。この車を、原住民を、オッさんを、ついでに宇野を。

背中に吹くこの風は、車が動いている証拠だ。この風が凪いだ時に、ワイらの命運は尽きる。逆に風を絶やさなければワイらの勝ちや。動き続けていれば、いずれ世田谷から抜けられる。そうすればきっと、事態は好転するはずや。
気合いを入れ直し、ワイは身構える。肉塊の群れから、3体飛び出してきた。

彡(゚)(゚)(肉塊の狙いは、体当たりで車を壊すことか? それなら......)

肉塊が左に1、右に2に分かれ、車の横に並んだ。左右から同時に体当たりされたらたまらんし、2体同時には捌けんと思ったワイは、左の1に狙いを定めた。
案の定、右と同時に体当たりしてきた肉塊を、ワイは車にぶつかる直前に横あいから蹴り飛ばした。並走している時は距離があって届かんが、これならワイも奴らを倒せる。
ほぼ同時に右から衝撃がくるが、予想済みだ。ワイは踏ん張って、車から落ちないよう耐えた。
思っていたより衝撃が少ない。振り向くと、並走している肉塊は1体だけだった。宇野が一体倒してくれたのだろう。これで肉塊は残り8、銃弾は1。

彡(゚)(゚)「......そろそろ渋谷に着いてもおかしくない時間やな。さぁ勝負はこれから、ラストスパートと行こうやないか! 動く物体ども!!」