~聖都大学附属病院CR~

永夢 「うーーん……」
飛彩 「……研修医、暇を潰しに来たなら帰ってもらうぞ」
永夢 「良いじゃないですか、僕だってCRのドクターなんですから。はあ……」
明日那「溜め息なんかついて……、永夢、何か悩みでもあるの?」
永夢 「いや、悩みってほどじゃないんですけど……、はい」
明日那「良いから。言ってみて?」
永夢 「……いや、その……」
――
明日那『貴利矢との距離を縮めたい?』
飛彩 『監察医との距離を縮めたい?』
永夢 「はい……。ちょっとだけ貴利矢さんと近付けたと思ったんですけど、よく考えたら僕貴利矢さんの事何も知らなくて」
永夢 「お二人は何か知りませんか?貴利矢さんの、こう……、好きな食べ物でも何でも」
明日那「ええ?あいつの好きな物……、うーん……」
飛彩 「奴に関しては、俺達もよく分かっていないところがあるからな……」
明日那「うーーん……、……あ、私知ってる!貴利矢の好きな食べ物」
永夢 「本当ですか!?」
明日那「うん、確かー……、ロコモコだっけ?前にね、電話で聞いたの」
飛彩 「そういえばそんな事を言っていたな」
永夢 「そうなんですか!ありがとうございます!!」

明日那「行っちゃった……」
――

~都内の公園~

永夢 「あ、貴利矢さん!」
貴利矢「ん?……おお、永夢じゃねえか!」
永夢 「やっと見つけた……」
貴利矢「どうしたよ、そんな急いで。調べたい事でもあんのか?」
永夢 「いや、そうじゃなくて……」
貴利矢「ん?」
永夢 「今度、一緒に出掛けませんか?」
永夢 「その……もっと貴利矢さんと、仲良く……、『友達』になれたら良いなって」
貴利矢「……!」
――
貴利矢「自分のせいだ……」
貴利矢「自分が本当の事言わなければ……」
貴利矢「ごめん、淳吾……!」
――
貴利矢「……」
貴利矢(自分が……また『友達』なんて……)
永夢 「……あの、貴利矢さん?」
貴利矢「っ!」
貴利矢(いや、永夢ならあんな事には……そうだ、信じるって決めたんじゃねえか)
貴利矢「……ああ、良いぜ。ここ最近は暇してるしさ」
永夢 「本当ですか!?それじゃあ、日取りとか場所とか決めないとですね!いつにします?」
貴利矢「んーー……、自分は用事ねえし、永夢に合わせるわ」
永夢 「分かりました!それじゃあ後で通話でも……、……あっ!」
貴利矢「どうした?」
永夢 「これって最初から電話すれば良かったんじゃ……!?」
貴利矢「……えっ?」
永夢 「うああ、失敗したぁ……。と、とにかく、また追って連絡しますね!それじゃあ!」

貴利矢「……あいつ、わざわざ会いに来たと思ったらそういう事かよ……ったく」
貴利矢「駆け足な奴だなぁ……。……へへっ、ちょっとだけ楽しみにしとくぜ?永夢」

~中編に続く~