最終回翌日。
サトシ11歳。
手持ちポケモン、
ピカチュウ。
カントー地方
マサラタウン帰路。

サトシ「おい!」

サトシは、肩から落ちたピカチュウを捕まえる。

サトシ「疲れてるならボールに入れよ。
   肩に乗ってたら危ないだろ?」

ピカチュウ「ピーカチュウ。」

ピカチュウは、首を横に振る。

サトシ「ったく、仕様がないな…」

サトシは、ピカチュウを抱えたまま歩き出す。

サトシ「まぁ、俺も、疲れたと言うか、
   リーグ終わった途端、気ぃ抜けちまったけどな…
   前までは、24時間元気だったのに…
   リーグ楽しかったよな~。
   多分、今までで一番…」

サトシは、歩く。
ただ、歩く。

サトシ「マサラタウンまで、まだまだだな…」

サトシは、地図を見て言う。

サトシ「これから、どうしようっかな~。
   いつも、新しい地方に行ってたからな…
   今回は、カントーに戻ってきたけど。」

しばらく、歩くとポケモンセンターが見えてくる。

サトシ「少し休憩するか…」

サトシは、ポケモンセンターに入った。
何となく貼られているポスターを見て行く。
昨日終わったカントーリーグの開催。
先週のポケモンコンテストの開催。
三日前のポケモンレースの開催。

サトシ「古いポスターばっかじゃん。」

ジョーイさんの方を見る。
ジョーイさんは、寝ていた。
ポケモンセンターの中は、薄暗く、
他の利用者は、誰も居なかった。

サトシ「ここ、あんまり人来ないんだろうな…」

サトシは、自販機でジュースを買い、椅子に腰を掛ける。
ピカチュウは、隣の椅子に寝そべる。
眠いわけではないようで、目は閉じていない。
いつまで休んでも、時計の針は、10分しか進まなかった。

サトシ「そろそろ…行くか?」

ピカチュウ「ピカ…」

ピカチュウは、起き上がる。
サトシは、自分達の行き先を再確認した。

サトシ「(これから、帰る…)」

果たして、家に帰れば、新しい冒険の地が現れるのだろうか?
ここに冒険の臭いはしない。
薄暗く活気がない。
まるで、今のサトシ達のようである。





少年サトシは、10歳の誕生日に相棒のピカチュウと共に旅に出た。
仲間と出会い、
次へ次へと進んでいった。
リーグを終えると次の地方へ、
また次の地方へと場所を変えた。
次第に新鮮味も薄れていった。
何処に行ってもすぐに慣れてくる。
だから、カントーに戻り、
全力で旅をしてみた。
旅に出た当初と同じことをしているはずなのに新鮮さで溢れていた。
カントーは、変わっていなかった。
しかし、何だかサトシが変わっているような気がした。
今までで見たどの地方よりもカントー地方が好きになった。
リーグも全力で楽しんだ。
ピンチになっても笑顔で戦った。
いや、不利な状況などサトシにとっては、無かった。
有利でも不利でも全力でバトルする。それ以外に何も無かった。
その時、世界が広く見えようが、
狭く見えようが、
どうでも良くなった。
サトシは、今、ここでバトルしている。
いや、生きている。





サトシ「リーグ終わったら、何にも残んなかったな…
   全部使いきっちまったぜ。」

ピカチュウ「ピカ!」

ピカチュウは、鈍った体を動かすためか、
軽く動き回る。

サトシ「そうか…
   ボーとしてたら退屈か…」

サトシは、ポケモンセンターの電話で自宅に電話を掛ける。

サトシ「あ、ママ!
   やっぱり、帰るのは…………」

しばらくして、電話を切る。
サトシは、ピカチュウに言った。

サトシ「何かを探しに行くぜ、相棒!」










後書き

結構前に書いたものです。
今月から連載しようと思います。
アニメのポケモンが最終回を迎えたとして、
その後を、あくまで本編らしくならないように書く、
と、言う、恐らく誰もやったことがないであろうスタイルでやっていきます。
果たして、いつまで続くのやら…
ちなみに、掲示板のほうで活動している「夢幻のメロディー」とは、同一人物です。
そっちでは、割りと普通?にSSを書いているので、
そっちも読んでみてくれたら、幸いです。
次回の更新は、3月1日です。