夕方の太陽に照らされ、黄金色に染まる町。歩

道に淋しく延びる私の影。ああ、今日が終わっ

ちゃう。

「かーよちん」

背後からかけられた声に驚き、一瞬体を震わせ

たがその声の主は分かっている。聞き慣れた、

よく通る澄んだ声。

「…凛ちゃん」

私の幼馴染であり、初恋の人でもある凛ちゃん

の姿がそこにはあった。

〜〜

「かよちん今日元気ないように見えるにゃ…」

「そ、そう?そんなことないよ」

ああやっぱり、そうなんだ。

鈍感な(って言ったら怒られちゃう?)凛ちゃん

にもそう見えたってことは、余程元気なかった

んだね、私。

まあ、その原因は目の前にあるのだけど。

「どこか悪いの?大丈夫?」

「だ、大丈夫!本当になんともないよ」

「心配事があるなら、凛に話してみてよ」

今に始まった事ではないけど、その気持ちに初

めて気づかされたのは先週行われた第二回ラ

ブライブが終わった直後。

私達が優勝したと知ってから今まであった色ん

な事が込み上げ、皆暫く泣いていたんだけど。

そのほとぼりが冷めてから、ようやく凛ちゃん

への淡い恋心に私は気づいた。

「それじゃ、どっか寄り道していかない?ご飯

かラーメンでも食べたら元気でるよ⁉︎」

「あはは…それは多分私達だけじゃないかな」

いつも天真爛漫に振舞って猫みたいに可愛い凛

ちゃんが。

「それでもいいにゃ、お腹空いちゃったし行こ

うよ」

「ありがとう、凛ちゃん」

私は好きです。


〜〜〜〜


真姫「それで結局、大した事も話せずに帰ったと」

花陽「う、うん」

真姫「なるほどね」

真姫「まあそんなもんじゃない?花陽の事だし

直ぐには行動に移れないと思うわ」

花陽「えへへ…そうかな?」

真姫「褒めてないわよ」

凛ちゃん以外に相談に乗ってくれそうな人は、

花陽は真姫ちゃんしか思い浮かびません。

まあ、ことりちゃんとかにこちゃんとか頼りに

なる先輩もいるけど。これは一年生の範囲に留

めておきたいんです。

真姫「それで、花陽はどうしたいの?このまま

じゃいけないのは貴方が一番分かってるはず

よ」

花陽「うん…私は」

真姫「私は?」

本当なら花陽一人で解決しなきゃいけない問題

なのは知ってるけど。人一倍感覚が鋭い真姫ち

ゃんは、私の様子がおかしいのとその原因を簡

単に言い当てちゃいました。流石だね。

花陽「私の思いを伝えて、今の気持ちをスッキ

リさせたい」

真姫「それだけ?」

花陽「それだけって?」

真姫「はあ…バカね、付き合うのよ」

花陽「ツ.ツキアッチャウノオ!?」

真姫「声が大きいわよ、誰かに聞かれたらど

うするの」

私と真姫ちゃんは、放課後の教室で二人だけの

状態。一応、聞き耳を立てられないように注意

はしてるけど。

真姫「ラブライブも終わった事だし、もう直ぐ

したらにこちゃん達もいなくなっちゃう。それ

が何を意味するか分かるわよね?」

花陽「うん、私達も2年生になって」

真姫「その通りよ、環境が変わってくる」

真姫「後輩も入ってくるだろうし、凛を狙って

くる子も出てくるはずよ。そうしたら、色々と

ゴタゴタしてくる」

ラブライブに優勝してますます人気が出るよう

になったμ's。当然、音乃木坂に志願する生徒も

少なからず私達の事を知ってるはずです。

真姫「告白するんだったら、もう今しかない

わ」

花陽「でも、凛ちゃんはどうするの?凛ちゃん

はきっと花陽を恋愛対象として見てないよ」

花陽「そうしたら、気まずくなっちゃうかもし

れないし、もしかしたら嫌われちゃうかも」

真姫「ないわよ、そんなこと」

花陽「え?」

真姫「凛がそんな事で貴方を嫌いになると思

う?そりゃ少しは気まずくなるかもしれないけ

ど」

真姫「凛はそんな事で人を嫌いになったりしな

いわ。花陽を避けたりもしないハズ。それを一

番知ってるのは花陽、あなたのはずでしょ?」

花陽「そうだね…真姫ちゃんの言う通りだよ」

真姫「でしょ?」

真姫「だから勇気をだして、頑張りなさい。上

手くいくはずよ」

真姫「そんな事でずっと悩んでる花陽を見てる

方が私は嫌だわ」

花陽「わかった、私頑張ってみるね」

花陽「今日にでも、凛ちゃんに思いを打ち明け

てみるよ」

真姫「それでこそ花陽だわ」




真姫「上手くいったら今度ご飯でも奢ってあげるわね」

花陽「わあぃ!白米が食べられます!」

真姫「それしか選択肢は無いのね…」



〜〜〜〜

時は巡って、翌日の放課後。

私は覚悟を決めて凛ちゃんと一緒に帰ります。

「かよちん、いつものかよちんに戻っててよか

ったにゃ〜」

「あはは…私はいつも同じだよ」

「そうだけど、今日のかよちんの方が凛は好き

だにゃ」

好き。

言葉が胸に刺さり、一気に心拍数が増す。勿論

今の「好き」は私の「好き」と少し違うのはわ

かってるけど。やっぱり意識しちゃいます。


告白、しなきゃだね。

「あのね、凛ちゃん」

「…?どうしたの?」

多分、今の私は赤面してるけど。

これで全てがきまる。

「私ね、好きな人ができたんだ」

「えええっ‼︎そうだったの?どんな人?」

「その人は、いつも元気でね。私の事をいつも

気にかけてくれて、落ち込んでる時は励まして

くれる。とても優しい人なんだ」

「そうなんだ…良い人なんだね」

「それって、凛も知ってる人?」

「うん、それがね」

凛ちゃんの目をしっかり見て、勇気を振り絞る

私。


「好きだよ。凛ちゃん」


「…えええ!凛のことだったの!?」

「…うん」

よかった、言えた。

「凛ちゃんの答えを聞かせてほしいな」

「う、うん。えっとね…」

凛ちゃんの頬も心なしか赤くなっているような

気がして。とても可愛い。


「り、りんも」

「え?」

「凛もかよちんが好きっ」

「…本当に?」

「う、うん」

「花陽の『好き』は友達のとは少し違うんだよ?」

「知ってるよ。」

「凛ね、かよちんの事考えるとドキドキするんだ。なんでだろう」

「今まで言えなかったけど」

「そ、そうなんだ。嬉しい」

「じ、じゃあ凛ちゃんの答えを聞かせて欲しい

な」

「凛も、かよちんが好き。かよちんと一緒にい

たいな。」

「り、凛ちゃん。いいの?友達じゃなくて恋人

になるんだよ?」

「うん。凛はかよちんがいい。他の人に取られ

たく無いしね」

「嬉しい…これからも宜しくね、凛ちゃん」

チュッ

「え…」

「不意打ちだにゃ//」

「わ、私からも!//」

イチャイチャ  

よかった。凛ちゃんも花陽の事が好きだったん

だね。嬉しいよ。

真姫ちゃん、上手くいったよ。

凛ちゃん、これからも宜しくね。

「じゃあ、一緒に帰ろっか」

「も、もう帰ってるにゃ//」

「あ…本当だね」

〜〜〜

真姫「うまくいったのね、よかったじゃないの」

花陽「うん!真姫ちゃんのお陰だよ」

真姫「私は何もしてないじゃない」

翌日、教室で話す私達。凛ちゃんは多分、真

姫ちゃんが相談に乗ってくれたなんて知らない

と思う。

真姫「でも、前とやってること変わってないじ

ゃない。付き合う前から一緒に帰ってた訳だ

し」

花陽「実はね…したんだ、キス」

真姫「ええええ!早いわよ!1日目でしたの⁉︎」

花陽「ま、まあね」

真姫「なかなかやるわね花陽…」

凛「かーよちん、まーきちゃん」

凛「かーえろ!」

不意に、背後から声がかかる。その声の主はも

うわかりきっていてー
真姫「凛」

花陽「凛ちゃん!」

私の天使さんが現れました。何故だかいつも以

上に可愛く見えます。いつも可愛いけどね。

凛「最近一緒に帰ってなかったし、三人で一緒

に帰るにゃー!」

真姫「たまにはいいわね」

花陽「花陽、白米が食べたいです!」

真姫(あ、覚えてたのね…)

凛「じゃあ皆で寄り道しよー!」

花陽「うん!」


例え恋人が出来ても、凛ちゃんの友達への接し

方は変わりません。勿論私も。それでも、私た

ちは恋人。なんか自分で言うと恥ずかしいね。


今日も、一年生は円満です。


あ、真姫ちゃん後で白米奢ってね!


fin

終わりです。最後まで読んで下さった方有難うございます。

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